今回は私が製作に使用している工具を紹介しようと思います。
アクセサリーの製作の方法の1つのロストワックス鋳造法につてお話しします。
ロストワックス鋳造の原型製作には素材となるワックスを使用しますが、「ハードワックス」と「ソフトワックス」の2種類があります。
今回は「ソフトワックス」で原型を製作する際に使用する工具を紹介しようと思います。
ロストワックス鋳造以外でのアクセサリーの製作方法についてはこちらの記事で紹介しています。
ワックスとは
ワックス(WAX)とはロウソクのロウを固めたような素材です。
ワックスという素材には様々な種類があり、それぞれの特性を生かした使い方をします。
ですが、決まった使用方法が定められているわけではないので、製作する側の創意工夫によって素材の生かし方は大きく変化します。
ワックスという素材
素材となるワックスですが大まかに2種類あり、「ハードワックス」と「ソフトワックス」に分けられます。
「ハードワックス」を使用したアクセサリーの製作はこちらの記事で紹介しています。
ソフトワックスの種類
- インジェクションワックス
- ワイヤーワックス
- シートワックス
- 蜜蝋
インジェクションワックス
アクセサリーを量産する際に使用される型に流し込むために使用されるワックス。
ペレット状の形状で販売され、専用の機械に入れ溶かしたものを型に流し込むため非常に流動性の高い。
ワイヤーワックス
ワイヤー状のワックス。
様々な線径があり、使い分けることによって雰囲気に強弱が生まれる。
手で曲げることができ、粘りもあるため形状をある程度変形させたり、宝石などの形状に沿った形に成形できる。
いくつか種類があるのですが「レディーキャスティングワックス」を使用しており、適度な硬さと粘りがあるので加工しやすいです。
シートワックス
シート状のワックス。
長方形もしくは正方形のシート状で販売され、板厚が複数ある。
手で折り曲げることができるため、宝石などを包み込んだり粘土のように成形することができる。
ちなみに歯医者さんで歯の形をとるために噛むピンク色の物体もシートワックスが使われています。
蜜蝋
蜜ろう(蜂の巣から採取される蝋)と松ヤニ(松の木から採取される樹液)を配合して作る素材。
「引きロウ」とも呼ばれ、素材を引き延ばした際に独特な表情が表れるのが特徴。
この時表れる造形は他の素材では表現することができない。
使用する工具
ソフトワックスでの原型製作には最低限WAXペンさえあれば作ることができます。
それ以外でご紹介する工具は、あると作業がはかどる便利アイテムです。
筆者はこれから紹介する工具をメインで使用していますが、製作するデザインに合わせて工具を自作するなど、自分が作りやすい環境を準備する必要があります。
WAXペン
ペン先が熱を持つことでワックスを溶かす工具。
ワックス同士を溶かし合わせたり、部分的に盛り上げるなど様々な加工に使用し、ソフトワックスでの原型製作においてはメインとなる工具です。
使用するワックスの種類や作業内容によって温度を調整しながら使用します。
ソフトワックスに使用する際の温度設定は約100℃程度です。
ペン先はアタッチメント方式の場合が多く、加工の内容に合わせて交換します。
作業しやすい形状にペン先を加工しましょう。
ペン先が温まりやすく、すぐに作業が始められるので気に入っています。
温度調節がダイヤル式で正確な温度が分からないので慣れが必要です。
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作業台として使用する。
ワックスペンのペン先に付いた余分なワックスを吸わせて除去することもできます。
カッター
ソフトワックスを切断するために使います。
ある程度切れ味が良いものを使用すると、ワイヤーの断面を潰すことなく切断することができるためデザインナイフなどで代用することも可能です。
爪芯金棒
本来は石座の成形に使用する工具。
小さな円のパーツや石座の土台を作ることができる。
また曲面にワイヤーワックスを沿わせることで、綺麗な曲線を作ることができます。
サイズ棒,芯金棒
主にリングを作る際に使用する工具。
下の芯金棒でリングを作り、上のサイズ棒でサイズを確認します。
芯金棒は大きい円を作る際にも使用できる。
最後に
原型製作に必要な工具は最低限決まっていますが、製作するデザインによって使用する工具は変わってきます。
創意工夫をすることでより思い描いたモノ作りができるため、自分にあった工具を模索することも必要です。
今回ご紹介した道具はあくまでも筆者が使用している工具なので、参考程度に考えてください。
原型製作に使用される工具を知ることで、アクセサリーの製作に興味を持って頂ければ幸いです。
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